第16章

やがて松本弘之と約束した時間になり、私は時間通りに電話をかけると、彼はすぐに出た。

「友人に頼んで『何でもできるプログラム』ってやつを手に入れておいた。これを林田翔太のパソコンに差し込めば、あんたが見たいものは何でも見られるようになる」

私は一瞬呆然とした。正直、大して期待していなかったのだ。たとえ今日、松本弘之が解決策を見つけられなくても、それはそれで受け入れるつもりだった。

しかし、まさかこれほど仕事が早いとは。不僅に問題を解決してくれただけでなく、これほど完璧にやり遂げてくれるなんて。

私は慌てて礼を言った。「あなたがいなかったら、私、本当にどうしたらいいか分からなかった。いつ...

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