第17章

これからの日々は、前回のようなチャンスをただ待つだけだ。

しかし、どういうわけか林田翔太は最近、まるで人が変わったかのように、出退勤は時間通りで規則正しく、帰宅するとすぐに書斎に籠もってしまう。

仕方なく、私は深夜に小林奈菜へ電話をかけ、どうすべきか相談した。

小林奈菜がふと閃いた。「そうだ、私が誰かを使って林田翔太に協力話を持ちかけて、彼をよその県に誘い出すっていうのはどう?」

私ははっとした。そうだ、どうしてこの手に気づかなかったんだろう。

考えれば考えるほど、これは良い方法だと思えてきた。それに、林田翔太という男はこんな機会を絶対に見逃すはずがない。きっと食いついてくる。

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