第2章

父が病で亡くなってから、私は急いで会社を継いだ。事業を安定させるため、ほとんどの精力を会社に注ぎ込み、林田翔太のことさえもおろそかになりがちだった。

その頃、私が接する外部の人間は少なく、ほとんどが会社の人たちだった。

その後、私が妊娠すると、林田翔太は私を気遣い、休むようにと勧めてくれた。彼が代わりに会社を経営してくれることになり、それからは家庭に専念し、ますます人と接することが少なくなった。身の回りで最も頻繁に会うのは、林田翔太と田中奈美、そして三人の子供たちだけ。

子供たちは皆、私が産んだ子だ。しかも長男はまだ八歳で、下の二人は四、五歳になったばかり。

まだほんの数歳の子供たちが、人を害する方法など知るはずもない。

考えに考え抜いた末、最も疑わしいのは林田翔太と田中奈美の二人しかいなかった!

でも……本当に彼らなのだろうか?

背筋に冷たいものが走り、それ以上考えるのが怖くなった。

もし私を害しているのが林田翔太なら、ずっと私の世話をしてきた田中奈美が、私が薬を飲むたびに意識を失うほど眠り込むことに気づかないはずがない、ということに気づいてしまったからだ。

もし田中奈美だとしたら、私の隣で眠る夫である林田翔太が、些細な異変にも気づかないなんてことがあり得るだろうか。

そして何より、私はこの薬を長年飲み続けているのに、少しも好転していないという事実に突然気づいた。

あれほど私を気遣ってくれる林田翔太が、どうして薬を変えたり、新しい医者を探したりすることを急がず、逆にこの薬を飲み続けるようにと言い張るのだろうか?!

この発見に、私は身の毛がよだち、まるで深淵に沈んでいくかのようだった。

果てしない恐怖と絶望が私を包み込み、蔓のように体をきつく縛り上げ、呼吸さえも困難に感じられた。

時間だけが刻々と過ぎていき、部屋全体が墓場のように静まり返っている。

腕の中のみちゃんの柔らかい体だけが、私にわずかな温もりを感じさせてくれた。

皮肉にも、そのわずかな温もりこそが、私をこの状態に陥れた元凶なのだが。

私はまるで二つの極端な力に引き裂かれているようで、薬を飲まなかったせいか、あるいは精神が張り詰めすぎて恐怖による興奮状態にあったのか、まったく眠気が訪れなかった。

そうして目を開けたまま、陽の光が少しずつ消え、暗闇が光を飲み込んでいくのを見つめていた。

お腹がぐぅっと鳴った時、私はふと気づいた。こんなに長い間、誰一人として私の様子を見に来ていない。

いつもなら家に帰るなり私の体を気遣い、気分を尋ねてくる林田翔太は顔さえ見せない。

そして、甲斐しく私の世話をしてくれる田中奈美は、何が食べたいかすら聞きに来なかった。

それに、彼女は用事が終わったら私を日光浴に連れて行くと約束したはずだ。忘れたのか、それとも……彼らは私が薬を飲んだ後、人事不省に陥ることを知っていて、放っておいてもいいと分かっていたのか?!

深く考えるのが怖かった。心はまるで氷に包まれたように、冷たく痛んだ。

夜は人のあらゆる感情を増幅させる。私はみちゃんを強く抱きしめ、夜が明けるまでぶるぶると震えていた。

夜が明けると、腕の中のみちゃんがかすかに「にゃあ」と鳴いて目を開けた。

最初は焦点が合っていなかったが、丸一日近く眠っていたはずなのに、猫全体がどこか元気なさげに見える。気だるそうに少し身じろぎし、いつもならもっと快適な寝相に変えると、またふにゃふにゃと鳴きながら目を閉じて眠りについた。

その様子は、普段の私の寝起きの状態とよく似ている。

私もそうだ。いつも目覚めると、寝る前より疲れているように感じ、頭全体が古びて動かなくなった機械のように鈍くなる。

心の中の疑念がさらに深まり、私は恐怖と不安に駆られてみちゃんを強く抱きしめた。

力を入れすぎたのかもしれない。みちゃんは不快そうに何度か鳴き、まん丸な目で私をじっと見つめている。心配しているかのようだ。

その澄んだ瞳に見つめられ、私は思わず胸が締め付けられ、みちゃんを抱きしめて思い切り顔をうずめると、涙が音もなくこぼれ落ちた。

「みちゃん、一体誰がママを陥れようとしているの……?!」

林田翔太に対しても、田中奈美に対しても、誰に対しても後ろめたいことは何もないと自負している。

かつて、林田翔太の両親が重い病気にかかった時、彼には長い間収入がなかったため、治療費はすべて私が支払った。

彼は当時、罪悪感から私を抱きしめ、耳元でこう誓った。「由依、君は私の両親を救ってくれた。それは俺の命を救ってくれたのと同じだ。林田家の恩人だ。俺、林田翔太は必ず君を大切にする。一生、君一人だけを。もしそれができなかったら、天罰が下って無残に死んでも構わない!」

この数年間、彼はその誓いの通り、私にとてもよくしてくれた。

何事も私の言う通りにし、喧嘩一つしたことがない。私が仕事や他のことで不機嫌になると、彼はいつもあの手この手で私を慰めてくれた。

私の友人たちでさえ、私は前世で銀河系を救ったに違いないと言っていた。

今世で林田翔太のような素晴らしい男性と結婚できたのだから、と。

以前は、私もずっとそう思っていた。しかし今、私は彼に疑問符をつけざるを得ない。

彼は本当に、見せているほど私を愛しているのだろうか?

彼と田中奈美の間は、本当に彼らが見せているように清廉潔白なのだろうか?

疑念は一度芽生えると、心に根を張り、いつの間にか枝葉を茂らせてしまう。

今や敵は暗闇に、私は明かりの中にいる。犯人を突き止めるには、私もまた何も知らないふりを続け、陰で観察し、一体誰が私を害そうとしているのかを見極めるしかない。

そう決意し、私はナイトテーブルの上の目覚まし時計に目をやった。毎朝、田中奈美が薬を持ってくる時間を思い浮かべ、無意識に腕の中のみちゃんをさらにきつく抱きしめた。

絶対に突き止めてみせる。一体誰が私に薬を盛っているのか。

そして、その目的は何なのか!

時間が近づいてきたのを見計らい、私は再び目を閉じて寝たふりをした。

案の定、次の瞬間、ドアの外から足音が聞こえてきた。

続いて、田中奈美がドアをノックし、外から「由依さん」と声をかけた。

私は返事をせず、ただ布団の下でみちゃんの体を指で強く抱きしめた。

すぐに、田中奈美は自分でドアを開けて入ってきた。ベッドでまだ熟睡している私を一瞥すると、冷ややかに鼻を鳴らした。

「ちっ、馬鹿な女。まだぐっすり寝てるわ!」

その声は侮蔑と嫌悪に満ちており、普段私と話す時の恭しく謙虚な態度とはまるで別人だった。

爪が掌に食い込み、私は必死に耐えて異様な気配を一切出さなかったが、心の中ではそれでも荒波が逆巻いていた。

田中奈美に薄情な扱いをした覚えはない。彼女は林田翔太が見つけてきた人間だが、私の世話係だったため、私と過ごす時間の方が長かった。それに、彼女は勤勉で清潔好き、そして細やかな気配りができ、何から何まで私の世話を完璧にこなしてくれた。外出できない私は次第に彼女と親しくなり、友人のように思うようになっていた。

普段から良いものがあれば、彼女にも分け与えることを考えていた。彼女の家庭の事情が楽ではないと知ってからは、様々な口実を見つけてはお金を渡し、少しでも助けになりたいと思っていた。

その結果がこれだ。友人のように気遣っていた人間が、裏ではこんな顔をし、あろうことか私を馬鹿な女と罵るなんて!

よく考えてみれば、もしみちゃんが突然彼女の薬を食べていなければ、私は今でも問題に気づかず、自分の周りが悪意に満ちた狼ばかりだとは知らなかっただろう。

「こん」という小さな音がして、田中奈美が薬のお椀をベッドサイドに置いたのだとわかった。

いつも彼女はそこに置き、それから私を起こして薬を飲ませるのだ。

案の定、次の瞬間、肩を軽く揺すられるのを感じた。

そして、先ほどの侮蔑に満ちた声とは全く異なる、優しく恭しい声が聞こえた。「由依さん、起きてください。お薬の時間ですよ」

彼女が三度目に私を揺すった時、私はようやく起こされたふりをして、「ぼんやりと」彼女の方へ振り向いた。「な……奈美さん、もう朝なの?」

私はいつものように力なく、弱々しい声色を真似て、起き上がろうとしたが、全く力が入らなかった。

田中奈美はそれを見ても少しも疑わず、急いで手を差し伸べて私を支えた。「はい、由依さん。昨夜はよくお休みになられたようで、昨日よりお顔色が良いですよ」

私は彼女の力に身を任せて起き上がり、ベッドのヘッドボードに寄りかかった。

田中奈美はすぐさま気を利かせて枕を二つ持ってきて私の背中に当て、楽にもたれかかれるようにしてくれた。

私は彼女を見つめ、探るように言った。「なんだか、昨日より力が入らない気がするんだけど?」

それを聞いた田中奈美の表情に変化はなかったが、伏せられたまつ毛は、興奮のあまりかすかに震えていた。

その動きはごくわずかで、私が注意深く観察していなければ、到底気づくことはなかっただろう。

「由依さん、そんなことお考えにならないでください」田中奈美は口では優しく慰めながら、くるりと向き直ってカーテンを開け、窓を開放した。「私が見るに、昨日よりずっとお元気そうですよ。窓を開けて、空気を入れ替えましょう。今日は良いお天気ですし、昨日も日光浴がしたいとおっしゃっていましたよね。後でお薬を飲んだら、ガーデンまでお連れしますから」

もし私の心に疑念が芽生えていなかったら、そして先ほどの彼女の感情の機微に気づいていなかったら、今の彼女の振る舞いを見て、自分の考えすぎだったのではないかと疑ってしまっただろう。

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