第238章

西田蓮の瞳に、微かな笑意が浮かぶのを私は見た。彼は少しうつむいて私の顔を覗き込む。

「今、何て言った?」

恥ずかしくてたまらない。もういい年をして、こんな台詞を口にするなんて。

「何も言ってないわ。あなたも、何も聞いてないはずよ」

だが彼は引くどころか、さらに顔を寄せてくる。

「いいや、聞こえたね。俺が君を好きだって言っただろう? 図星か?」

私は顔を覆って首を横に振り、口をつぐんだ。

彼はふっと笑う。

「君の言う通りだよ。俺は君が好きすぎてどうにかなりそうだ」

呆気にとられ、覆っていた手がずり落ちる。西田蓮を見つめ返したその時――。

彼が身を乗り出し、私の唇を完全に塞い...

ログインして続きを読む