第269章

蓮はふっと笑みをこぼすと、あからさまに私の手を引き寄せ、その甲に口づけをした。「あれは……ただの嫉妬心から言っただけだよ」

「さっきの話はちょっとデリケートだったからね。そこからいきなり俺の嫉妬の話に飛躍しちゃったせいで、君に変な勘ぐりをさせてしまった。ごめん」

 蓮はそう言いながら、また軽く私の手の甲に唇を寄せる。

 彼のその優しさに、私は抗えそうになかった。

「君が病気だったことを疑ったことなんて一度もない。それに、百歩譲って彼が君を感染させる可能性があったとしてもだ……彼が病気になったのは、二人が結婚して子供が生まれ、もう夫婦の営みがなくなってからのことだから……。彼の健診結果...

ログインして続きを読む