第275章

沈黙が、私たちの間に降りてくる。

奈菜は焦る様子もなく、ベッドに横たわったままエステティシャンに「肩が凝ってるから強めに押して」と注文をつけていた。

私もその空気を引き継ぎ、愛美に声をかける。

「どうしたの? 話してよ。今日はただの女子会なんだから」

二人がかりの問いかけが、ようやく愛美の心を動かしたようだ。

愛美は小さくため息をついた。

「別に冷たくされてるわけじゃないんだけど……情熱がないっていうか、お互い何をしてても無関心なのよね」

「この間みんなと話した後、家に帰って両親に探りを入れてみたの。もし私が離婚したらどうなるかって」

愛美という女性は、実は昔から少し反骨精神...

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