第291章

「ずっと子供部屋に籠もって出てこないから、僕がおばさんの話し相手をしてたんだよ。てっきり、怒ってるのかと思った」

 西田蓮は以前にもうちに来たことがある。家の間取りは把握しているし、私がさっきまで子供部屋にいたことも分かっていたはずだ。

 私は首を横に振り、彼の手をポンポンと叩いた。

 今の自分の表情が、あまり良くないことは自覚していた。

 それにしても、どうして母さんは蓮と話していて泣いたりしたのだろう?

 私は母さんのそばに歩み寄り、隣に腰を下ろすと、ティッシュを手に取って優しく涙を拭ってあげた。

「お母さん……どうして少し目を離した隙に、こんなに泣いてるの? まさか蓮に何か...

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