第299章

プライベート・オーダー会の間、実のところ私たちは皆、心ここにあらずといった状態だった。

会場は煌びやかで、招待客たちはグラスを片手に談笑し、大いに盛り上がっている。

その間、私も多くの取引先と顔を合わせた。当初の予定通り彼らとは円滑に会話を弾ませ、今後の連携についても積極的に言葉を交わした。

だが、胸の奥にはさっきの出来事が重くのしかかったままだ。

上村愛美が席を立ったことで、私たちの顔には隠しきれない憂いが漂っていた。

もし小林奈菜の顔を立てる必要がなければ、私だってすぐにでも西田蓮を連れて帰りたかったくらいだ。

上村愛美と交わした会話で、今日一日分の気力をすべて使い果たしてし...

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