第30章

もし美咲が奈美と違う人間でなければ、姉の住所を知るやいなや、いてもたってもいられず訪ねてくることなどなかっただろう。

彼女は奈美がこんな生活を送り、翔太と懇ろになっていることに嫉妬していた。だから、彼女と同じことをするのが、最高の復讐方法だったのだ。

私が二階へ上がる前、美咲がさりげなく翔太のそばへにじり寄っていくのが見えた。

二人の距離は非常に曖昧で、今にもくっついてしまいそうだった。

私は部屋に戻ったが、ドアは完全には閉めなかった。階下の様子を確かめるために、わざとそうしたのだ。

やがて階下から、何やらごそごそという物音が聞こえてきた。

私は音を立てずにドアを押し開け、二階か...

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