第303章

朝から晩まで仕事に追われた上に、上村愛美の一件で心ここにあらずといった状態だった。プライベート・オーダー会が終わるや否や会社へトンボ返りし、高橋文也と今後の対策を練っていたのだから無理もない。

 すっかり空腹に苛まれていた。

 そんな私の様子を察したのか、西田蓮は何も言わずに車に乗せ、レストランへと連れて行ってくれた。

 二人で食事をしながら言葉を交わす。ただ、今回ばかりは意識して会社の話題は避けるようにした。

 しばらくすると、松本弘之から電話がかかってきた。

「北村由依、今どこだ?」

「西田蓮と食事中だけど、どうしたの?」

「すぐに携帯を見てくれ。ある会社が突然発表した通達...

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