第316章

ここしばらく別の用件にかまけていて、私たちは石原実花に対して多くの情報を伏せたままにしていた。

 だが、明日の『お宮参りの食事会』だけは外せない。私と小林奈菜は少し前に、実花の子供へ贈る出産祝いをそれぞれ選び終えていた。

 奈菜は明日の仕事の調整も万全だと言う。私を待って一緒に行くつもりらしい。道中、彼女は念を押してきた。上村愛美の一件については、絶対に実花に漏らしてはならない、と。

 私は憂鬱な溜息を漏らす。

「愛美のことだけじゃないのよ。蛯原理久からまた接触があったの。あの夫婦、一体何を企んでいるのか……」

 あのプライベート・オーダー会の会場で、青井友里までが私に接触してきて...

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