第335章

そう考えているうちに、直也はいつの間にか私の腕の中で寝息を立てていた。

 ただ、その寝顔はどこか不安げで、眉間に深い皺を寄せ、何かを小さく呟いている。

 それを見た私は、慌てて手を伸ばし、彼の眉間の皺を撫でてやろうとした。

 その時だ。彼が夢うつつに、消え入りそうな声でこう言ったのは。

「ママ……ママ! だめ、あぶない! ママ……」

 その言葉を聞いた瞬間、私はっとして目を見開いた。

 腕の中の我が子を見つめる。その表情は苦痛に歪んでいる。

 直也は自分が夢の中にいるとも知らず、必死に言葉を紡ぎ続けた。

「僕が守るから……どいて……あいつと戦うんだ。僕、強いんだから……絶対に...

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