第348章

「じゃあ、結局あなたは春城市へ出張に行くことに決めたのね?」

 実は、私もついて行くべきかどうか悩んでいた。

 小林奈菜が行く今なら、私にも十分な口実がある。

 だが運の悪いことに、今日小村望から電話で春城市へ出張すると聞かされた時、私はそんな予定などおくびにも出さなかったのだ。

 もし今回、小林奈菜について行って、万が一彼と鉢合わせしたり、私が春城市にいると知られたりしたら、不審に思われるのではないか?

 私はこの懸念を小林奈菜に打ち明けた。

「もし私が行って、彼の注意を引いちゃったらどうしよう。後で話すときに、『なんでいたの?』って探られたら、私が彼の動向を探ってるってバレち...

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