第349章

あの人のすることはいつも不意打ちで、時々、こっちが恥ずかしくなってしまう。

 でも、それが彼なりの愛情表現だと分かっているから、悪い気はしない。私たちはしばらく言葉を交わし、名残惜しさを感じつつも別れた。

 それから数日もしないうちに、小村望のほうが先に帰ってきた。

 しかも、彼の方から電話をくれたのだ。

「由依、この前食事に誘ってくれたのに断って悪かったな。あの時は仕事が山積みで、出張も控えてたから余裕がなくて……つい、あんな態度をとってしまった。出張から戻ったんだが、もしよかったら一度会って話さないか?」

 その言葉を聞いた瞬間、私の心は一気に弾んだ。

 ここ数日、ずっと待ち...

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