第351章

実際のところ、小村望が唐突にそんな話を切り出してきた真意が読めなかった。

 今回の出張はあくまで仕事のためだというのに、なぜわざわざ娘を同伴させる必要があるのか。

 どう考えても、それは論理的におかしい。

 だが一方で、彼が私に嘘をつく理由も見当たらないのだ。

 あえて自分の娘を表に出してきたのは、彼女を盾にするつもりなのだろうか?

 いや、もし彼が私の調査に感づいているなら、どんな言い訳をしたところで私が裏を取りに行くことも想定内のはずだ。

 むしろ、娘を連れて行かなかったほうが、かえって怪しまれると考えたのだろうか。

 脳裏を様々な思惑が駆け巡る中、私はおくびにも出さずに相...

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