第352章

そこで私は少し考えを巡らせてから、彼にこう切り出した。

「もし今日のお話が陽菜ちゃんのことだけでしたら、なにもこんなに大掛かりにする必要はなかったんじゃありませんか? また別の機会にでも、子供たちを遊ばせながらゆっくりお話しすればよかったのに」

 そう言い添えながら、私は内心で首を傾げる。そもそも最初は私から子供たちも連れてこようと提案したのに、それを断ったのは小村望のほうだったのだ。

 小村望は私と、隣にいる北川歩美の顔を交互に見比べ、急にバツが悪そうな表情を浮かべた。

 そして、言いづらそうに口を開く。

「実は……今日ここに来たのは、もう一つ相談したいことがあったからなんだ。い...

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