第353章

陽菜ちゃんは先日、パパに託児所へ預けられたと言っている。つまり、小村望に連れられて春城市へ行ったというのは、真っ赤な嘘だったのだ。

 その事実に気づいた瞬間、私はカッと目を見開いた。

 さっき小村望は、陽菜ちゃんを連れて出張に行き、春城市の観光スポットも回ったと言っていたけれど……。

 その時も違和感はあった。そもそも彼が出張するのは仕事のためだ。それなのに子供を連れて行くなんて、どう考えてもおかしい。世話はどうするの? それに学校は?

 小村望の仕事柄、出張のたびに子供を同伴していたら、陽菜ちゃんの学業に支障が出るに決まっている。

 案の定、陽菜ちゃんはついて行ってすらいなかった...

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