第36章

「林田健」

私は面白半分にその名前を口にした。「奇遇ですね、あなたの旦那さんも林田さんなんですか?」

美希は頷いたが、何も言わず、ただ目の奥に得意げな色を浮かべていた。

天に愛されている、とでも言いたげに。

翔太もよくもまあそんな名前を付けたものだ。自分にその資格があるのかも考えずに。

私は健を見つめて言った。「これからうちの直也もこっちに転校してくるの。健くん、直也とたくさん遊んであげてね」

下校する生徒は少なくない。私は美希に別れを告げ、彼の手を引いて蘭の家へと向かった。

蘭が健を迎えに来たときのあの笑顔を、私はまだ忘れていない。それならば、祖母として分け隔てなく接してもら...

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