第374章

西田蓮はメニューを眺めていて、私の異変には気づいていないようだ。

 私はただぼんやりと彼の姿を見つめながら、この件をどう解決すべきか思いを巡らせていた。

「どうした?」

 私の沈黙に気づいたのか、西田蓮が顔を上げる。

 私は先ほど上村愛美と話した内容を、ありのまま彼に伝えた。

 西田蓮は眉をひそめる。

「てっきり機密に関わる話かと思って、あえて聞かないようにしていたんだが……そうだったのか」

 やっぱり。私に対していつも細やかな気遣いを見せる彼が、電話中にメニューばかり見ているなんておかしいと思ったのだ。

 あれはわざと私に話す余地を与えてくれていたのだろう。

 私はその優...

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