第396章

陽菜の声は微かに震えていた。

「パパ、前みたいにいなくなるのは嫌だよ。何か知ってるなら、ちゃんと言って」

 小さな子供の世界観では、小村が真実を話さないからこそ、警察に捕まってしまったのだと思っているに違いない。

 小村はしばらく黙り込んでいたが、やがて深いため息をついた。

「……わかった、話そう。だが約束してくれ。絶対に身の安全を守ると」

「話すといっても、詳しくは教えられないがな」

 私と西田は顔を見合わせ、大きく頷いた。

 小村は自嘲気味に笑みを浮かべ、重い口を開いた。

「君たちはやっぱり鋭いな。あの起業の失敗は、確かに仕組まれたものだ。蛯原が証拠隠滅のために私を利用し...

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