第414章

「ご心配、痛み入ります」

 私は口元だけで笑みを作って応じた。

「それにしても、お二人はずいぶんと耳が早いのですね。事故は昨日の今日だというのに」

 蛯原友里は口元を上品に手で覆い、ころころと笑う。

「この業界は狭いですもの。それに、北村社長のこととなれば……」

 彼女は病室にいる他の面々へ、意味ありげな視線を流した。

「北村社長を心配する方は多いようですしねぇ」

「俺たちが見舞いに来るのも、道理というものだろう」

 白々しい。その声音が、肌にまとわりつくようで不快だった。

 不意に、蛯原友里が身を乗り出してきた。彼女は甲斐甲斐しく私の布団を直すふりをして、耳元で囁く。

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