第417章

その言葉を口にした時、石原実花は私と目を合わせようとしなかった。プレッシャーをかけまいとする彼女なりの気遣いだと、すぐに痛いほど分かった。

 救急車という非日常の空間で交わすには、あまりに重苦しい会話だったからだ。

 西田蓮はずっと私の手を握りしめ、抱き寄せるようにして守ってくれている。彼も石原実花の言葉に何か言いかけたようだが、結局、言葉を飲み込んだ。

 この状況で彼女を責めるような真似は、誰にもできない。

 救急車を降り、石原実花が検査と処置を受けている間、ようやく私と西田蓮は二人きりになれた。

「創立記念パーティーは予定通りに行うわ」

 私は鍵を強く握りしめた。

「今、私...

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