第418章

創立記念パーティーまでの時間は刻一刻と迫っていたが、だからといって、その焦燥感に心を蝕まれるようなことはなかった。

 三日後、私は一足先に退院し、自宅へと戻った。家では母と直也が待ってくれていた。今日私が「仕事を終えて」帰宅すると思っている母と渡辺さんは、食卓に乗り切らないほどのご馳走を用意して出迎えてくれた。

「蓮さんから、ここ二、三日は出張だったと聞いたわよ。あら、見てごらんなさい。たった数日でこんなに痩せてしまって」

 母は私の頬を優しく撫で、愛おしさと心配が入り混じったような表情を浮かべた。

 私はわざと口を尖らせてみせる。

「そんなことないわよ……ただ、出張先の食事が口に...

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