第420章

「ねえ、あの人ってさ、前に林田翔太の携帯に入ってたあの女なんじゃない……」

 組織全体のコードネームが彼岸花なら、外で動く時は誰だって自分のことを彼岸花だと言えてしまう、ってことだよね。

 西田蓮が私の頭をぽんと撫でた。

「今はそこまで考えなくていいよ。ひとつずつ、順番に片づけていこう」

 そう言われても、ここ最近の急な展開には、どうしても身体も心も付いていかない。

 蛯原友里と二人きりで会う頃には、彼女が出した情報について、私たちはかなりの部分を把握していた。

 けれど、その蛯原友里の様子はどこか壊れていて、先日会った時の落ち着いた雰囲気は欠片もない。

 このところようやく我...

ログインして続きを読む