第436章

母は瞬きひとつせず、私をじっと見つめていた。

 彼女はたまらず私の手を取ると、口を開いた瞬間にはもう涙を溢れさせていた。

「大きな問題が起きたわけじゃないの。直也の容態はずっと良くなっているわ。ただ……あの子が不憫で……」

「驚かせないでよ。何かあったのかと思ったじゃない!」

 私はほっと胸を撫で下ろし、母を抱き寄せてしばらく背中をさすった。

「これは通らなければならない道だとわかっているし、どうして直也にこんな思いをさせてしまったのかと自分を責めてもいるわ。でも……」

 私の言葉を聞くと、母は慌てて首を横に振った。

「違うの、あなたを責めているわけじゃないのよ。私はお祖母ちゃ...

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