第50章

山本美希は顔を覆い、信じられないといった様子で林田蘭を見つめた。

「よくも私をぶったわね?」

林田蘭は目を剝いて言い放つ。「ぶって何が悪いの? あんたなんて林田家の道具に過ぎないんだから。私が北村由依にだって手を出すんだ、あんたなんかに手を出せないわけないでしょ?」

山本美希も完全に我を失った。「私があなたたちのためにどれだけ尽くしたと思ってるの! 財産を移して、林田翔太のために息子まで産んだのよ。功績がないにしても、苦労はあったでしょう。あなたに私をぶつ権利なんてあるわけない!」

「あんたが勝手にうちの息子に擦り寄ってきたんじゃないの。誰がそんなこと頼んだっていうのよ」

「お母さ...

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