第54章

私はただ笑って、静かに林田翔太を見つめた。

「あの時、てっきり彼の口からあなたの名前が出るものだと思ったわ。だって、あなたたち、すごく似てるもの」

林田翔太は汗を拭いながら言った。「似てるもんか。さっさと飯にしよう。お前は毎日くだらないことばかり考えてる」

そう言って、彼は私を引っ張ってダイニングテーブルへ向かった。

やがて、小林奈菜が予約してくれた弁護士との約束の日が来た。私は朝、直也を学校に送った後、その足で向かうつもりだった。

ところがその日に限って、林田翔太はどういうわけか、どうしても私と一緒に送ると言って聞かなかった。

送り届けた後、彼は車で私を家まで連れ戻し、自分も車...

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