第630章 自ら網に飛び込むのを待つ

私たちが気になっているのは事実だけれど、どうして美玲がそれを知っているのか。

「どこで聞いたの」私は目を細めて、単刀直入に口を開く。もしかして、私たちの身近に内通者でもいるのだろうか。

とはいえ、このことを知っている人間なんてほんのわずかしかいない。……それとも、今まであの喫茶店に何度か足を運んだことで、すでに私たちの存在が露見してしまったのか。

身近に内通者がいるというより、私はどちらかといえば後者の可能性のほうを疑っていた。

「そんなの、人から聞くまでもないじゃない。あたしはなんでもお見通しで、なんでもできちゃうんだから」美玲が口の端をくいっと上げて笑う。

その笑みを見た瞬間、...

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