第67章

翌朝、直也を学校に送った後、まずは車で市内を一周してみた。

案の定、いくつかの小道に入ると、ずっと私を尾行してくる一台の車に気づいた。

これが林田翔太がよこした追跡者なのだろう。

私は車で何度か旋回した後、不意を突いてとある地下駐車場に滑り込み、全てのライトを消して闇の中に溶け込んだ。

間もなく、私を追っていた車も追いついてきたが、真っ暗な内部を前にして途方に暮れているようだった。

なにしろ、今の状況ではどれが私の車で、どれが他人の車なのか、見分けがつくはずもない。

追跡者の車が走り去ってからしばらくして、私はすぐに車を発進させ、松本弘之から聞いていた住所へと向かった。

そこは...

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