第7章

林田翔太は訝しげに私を一瞥すると、まず自分のブリーフケースの中を漁り始めた。

私は緊張しながら彼を見つめ、何か勘付かれてしまわないかと気が気ではなかった。

幸い、林田翔太は何も見つけ出せなかったようで、振り返ると、私が見慣れたあの優しい表情に戻っていた。

「ごめんよ由依ちゃん、家が停電しちゃったから、あの子たちを連れて外で食べてきたんだ。帰ってきてもまだ寝てると思ってたよ」

私は手を振って見せた。「大丈夫。本当にそろそろ寝ようと思ってたところだし、ひどく目眩がするの」

田中奈美が慌てて駆け寄り、私を支えながら寝室まで付き添ってくれた。

私は静かに横になり、田中奈美が部屋を去るまで...

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