第743章 美しい花

あの嫌な感覚が、またぞわりと這い上がってきた。なのに、足は床に根でも張ったみたいにびくともしない。

 視線は人だかりの中央に釘付けにされて、体ごと誰かに操られているみたいだった。

「だったら早くやってよ。あたしたちチャリティーディナーに来てるんであって、ショーを見に来たわけじゃないんだから」

 女の子が、わざとらしくたどたどしい口調で言う。照れ隠しなのは、聞いていればすぐに分かる。

 ただ、周りの見物客たちも、それに乗るように口々に言い出した。

「焦らすのはナシね、さっさと見せてよ。こっちも付き合いがあるんだから」

「本気でショーがしたいなら、ちゃんとした公演でも開けばいいのに。...

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