第94章

病室のドアが再びノックされた。視線を向けると、愛美が見知らぬ女性を連れて入ってくるのが見えた。

愛美の後ろに立つその女性に目をやる。彼女は雨に濡れた儚い花のように泣き崩れており、見るからに痛々しい様子だった。

愛美はため息をついた。

「由依、あなたが大変なのはわかってる。でも、どうしても弘之さんに、私の友達を助けてあげてほしくて」

私は弘之を指差した。

「それは、彼自身が決めることよ」

愛美が頷いて場所を空けると、後ろにいた女性がいきなり弘之の前に飛び出し、土下座せんばかりの勢いで頭を下げた。

「有名な探偵さんだと伺いました。どうか、妹の死の真相を調べてください! 義弟が……義...

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