第185章 ご飯をご馳走する

大野直哉は車椅子の肘掛けを握る手を、かすかに震わせていた。

「美桜……実は、最初から……」

言葉を切る。慎重に言い回しを選んでいるようだった。

「最初に吉岡誠二をお前に近づけたのは……お前の新薬が目当てだった」

谷口美桜は彼を見つめ、何も言わない。

「俺の脚は……車椅子生活が3年だ」

直哉は視線を落とし、感覚のない両脚を見た。

「国内も海外も、名のある医者には一通り診てもらった。全員、望みは薄いって」

それでも、と彼は続ける。

「お前の新薬のデータが出たとき、評価させた。理論上は……俺の症状にも効く可能性があるって」

顔を上げ、美桜を見る。

「認める。最初は……自分のた...

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