第19章 DV

丸山虎太郎から電話が入ったとき、山﨑蓮はすでに車の中にいた。エンジンはかかったまま。いつでも発進できる。

「山﨑社長、分かりました。谷口さん、昨夜救急車を呼んでます。いま病院にいます」

山﨑蓮はハンドルを握る手に、ぐっと力を込めた。

救急車――?

脳裏に、谷口美桜の血の気のない顔がよぎる。床に落ちた血の跡まで。

「……何の病気だ」

声が、わずかにこわばった。

「現時点では、詳しい内容までは追えません」丸山虎太郎が答える。

「病院は、なんで俺に連絡しない」

山﨑蓮の声が冷え切る。自分は夫だ。病院が通知しないはずがない。

丸山虎太郎は画面の情報を見つめ、最後は乾いた声で言った...

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