第20章 道徳がない

山﨑蓮は顎を上げ、いつもの傲慢さと距離感を取り戻した。

彼は山﨑グループの社長であり、山﨑家の後継者だ。そこに一滴の汚れも許されない。ましてや、こんな連中の口汚い中傷を受け入れるなど、ありえない。

山﨑蓮は、この騒ぎの元凶を射抜くように睨みつけ、毒を含ませた声で吐き捨てた。

「具合が悪いなら言えよ。黙って無理するな。医者だって手配したのに使わず、わざわざこんな場所まで来て……今さらその被害者面、誰に見せてる?」

責める調子を、いっさい隠しもしない。

「俺が最初から最後まで、お前に指一本でも触れたか? その傷がどうしてできたか、お前が一番分かってるだろ。俺に言わせるのか? 恥をかきた...

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