第210章 白黒つける

「気をつけて!」

谷口美桜はハンドルがふらりと切れたのを、慌てて戻した。

山本由樹はそこでようやく我に返り、路肩へ寄せて車を停める。

「アイツ、結婚詐欺みたいな真似してたのに……お前、1円も取らないのか?」

「谷口美桜、お前さ。ほかの奴にはやたら気前いいのに、俺にはケチってこと?」

不満げにハンドルをぱんぱん叩く。

「俺ら、話ついてたよな。お前が俺を養うって。……戻って、ちょっと取り立てる?」

「私、いつ『養う』なんて言った?」

谷口美桜はもう、言葉も出なかった。

山本由樹がエンジンをかけようとした、そのとき――ふっと笑う。

「昨日の夜だよ。お前が俺を助けた。だから俺は身...

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