第213章 私よりもよく知っている

パシッ!

彼がノートパソコンに手を伸ばして奪おうとした、その瞬間だった。

飛んできた万年筆が寸分違わず彼の手の甲を叩き、乾いた音が会議室に弾ける。

「っ……誰だよ!」

大野文也が勢いよく振り向き、会議室の入口を睨みつけた。

山本由樹がひらひらと手を振る。

「悪い。手が滑った」

そう言い終えると、彼はいったん扉を閉めた。だが次の瞬間、再び開いた扉の向こうには、ボディーガード然とした男たちが数人、無言で立っていた。

大野文也は反射的に半歩下がる。ここは大野家の庭じゃない。さすがに好き勝手はできない。

結局、しばらく逡巡した末、彼は舌打ち混じりに席へ戻った。

親父が何をやらかし...

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