第215章 どうしようもない

山本由樹は頷いた。

「R国の神経科で最高峰の病院だ。個室。費用は全部、匿名口座から支払われてる」

谷口美桜は目を細める。

「その口座を洗って」

「もう動いてる」山本由樹は一拍置いた。「ただ時間がかかる。大野直哉の金は何度も迂回してる。そう簡単に尻尾は掴めない」

「でも、掴めなくても同じよ」

谷口美桜は目の前の皿を見つめたまま言った。

「私たちは分かってる。あの子は、確実に大野直哉の手の中にいる」

そして、箸を置く。

「食べ終わったら、まず田村忠に会いに行く」

「時間さえ稼げればいい」

そうすれば、おじいちゃんの治療に回せる時間が増える。

大野秀島の手元には、まだもっと...

ログインして続きを読む