第22章 私の妻

山﨑蓮がかけ直したときには、もう着信拒否にされていた。

「くそ……」

低く吐き捨てると、彼は立ち上がって太田美咲の前へ来る。

「スマホ」

太田美咲は一瞬で察し、すぐ端末のロックを解除して谷口美桜の番号を呼び出した。

山﨑蓮はそれを受け取り、迷いなく発信する。

「太田さん、パスワードはメールに――」

「谷口美桜。いい度胸だな」

山﨑蓮が強引に割り込み、谷口美桜の言葉をねじ伏せた。

「プロジェクトは全部お前が担当だ。最後まで責任を持て」

「……私だって病気になる権利くらいあるんですけど」

谷口美桜の声には苛立ちが滲む。少し間を置き、彼女は腹を括ったように続けた。全員の番号を...

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