第33章 資料が破壊される

谷口美桜は、ぐったりとした足取りで総務部へ戻った。

向けられる視線はどれも露骨で、まるで触れれば厄介事に巻き込まれるとでも言いたげに、すっと逸らされていく。

けれど彼女には、もう他人を気にしている余裕などなかった。

黙々と、自分の手元にある書類を整理し始める。

研究室へ出入りすることが多かったせいで、手書きの資料はずっとオフィスに置いてあった。

以前、教授に言われたことがある。まるで時代遅れの研究者みたいだ、何でも一部は手で書き残しておくんだな、と。

いま目の前に積まれた手書き資料を見つめ、美桜はただ、その癖に救われた気がした。

もしこの習慣がなければ、本当に、何を言っても信じ...

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