第51章 中毒

山﨑蓮は、谷口美桜のデスクをじっと見つめていた。電話をかけて、まだ会社に戻っていない理由を聞こうとした、その矢先――叔父の井上友也から着信が入る。

「蓮か。おばさんがな、最近お前らに全然会ってないって、ずっと言っててな。今夜、顔を出そうと思うんだ」

井上友也のいつも通り落ち着いた声が続く。

「まあ、あれだ。口が寂しいだけだろ。美桜の魚料理が食べたいってさ」

山﨑蓮の胸が、ふっと動いた。

谷口美桜と伯母の井上恵は、昔から一番仲がいい。恵を間に挟めば、こじれた関係も少しはほどけるかもしれない。

――今朝、祖父から電話があったばかりだ。そこへ伯母がわざわざ来る。どう考えても、仲裁だろう...

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