第102章 制作チームがキャスティングに来る

「北村由紀」に手を引かれた「山口夏美」が講堂へ辿り着くと、そこにはすでに人垣ができていた。

「中島結子」たちも来ていた。「竹中萌香」が「伊藤健」を知り合いだと言いふらし、それを聞いた「木下七海」と「中山琴子」がさかんに囃し立てている。萌香は嬉しさを隠しきれない様子だが、努めて冷静を装って言った。

「まあ、ママが業界人だからね。顔が広いのは当たり前よ。機会があれば紹介してあげるわ」

「萌香ってば、太っ腹すぎ! 萌香と友達でいられて本当幸せ〜」

中島結子が歓声を上げると、七海と琴子も追従して美辞麗句を並べ立て、萌香は笑いが止まらない様子だ。周囲の学生たちは驚きの目で彼女たちを見つめ、中...

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