第132章 チャイニーズカンフー

岩井蒼は山口夏美を見る目を、さらにいやらしいものへと変えた。

「わざわざ自分から飛び込んでくるとはな。三人で楽しむのも悪くない」

彼は手を振り、用心棒たちに合図を送った。山口夏美は威勢のいいことを言っているが、一九〇センチもある屈強な男たちに、か細い女が敵うはずがないと高を括っているのだ。

山口夏美は眉をひそめた。岩井蒼の言葉はあまりに下劣で、その視線も反吐が出るほど気持ち悪い。いっそ目を潰してやりたいほどだ。

山口夏美は滑るように踏み込むと、岩井蒼の顔面に拳を叩き込んだ。瞬く間に彼の左目が赤く腫れ上がる。

「ぐあああッ! 痛え! なんだこの女、馬鹿力かよ! お前ら、気をつ...

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