第247章 もう一度勝負

店主:「九点だ」

「不公平よ!」

 中島結子は激昂し、卓上の香炉を床に薙ぎ払った。

「分かったわ! 彼女が店の奥から出てきたのは、もともと知り合いだったからでしょう? 彼女を贔屓してるのね!」

 店主は怒りのあまり、自慢の髭を引きちぎらんばかりの勢いで怒鳴った。

「馬鹿を言うな! わしはお前たち二人とも今日が初対面だ。名前すら知らんのに、どうやって贔屓するんだ? 本来なら言わずにおくつもりだったが、そこまで聞きたいなら教えてやろう。お前の技法は悪くない。欠けているのは『感情』だ。お前が古筝を弾いている時、その精神は指先の技巧やミスをしないことに囚われ、感情を込める余地がなかった。そ...

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