第248章 私は大好きだ

中島結子の演奏時とは比べものにならないほどの熱気が、その場を包み込んでいた。興奮が少し落ち着いた頃を見計らって、オーナーが口を開く。「いやあ、完璧だ。十点満点でも足りないくらいだよ!」

 すると、木下七海が飛び出してきて叫んだ。「出鱈目言わないで! さっき言ったでしょ、何点つけようが投票権は一人一票だって。私は結子の演奏の方が良かったと思うわ。みんな、オーナーの言葉に惑わされないで、自分の耳で判断して!」そう言い放つと、彼女は中島結子の後ろに立ち、自身の一票を投じた。

 中島結子は薄ら笑いを浮かべて言った。「私も、彼女が私より優れている点が分かりませんわ。強いて言うなら、山口さんのその衣...

ログインして続きを読む