第261章 私は望む

岡本凜太郎は山口夏美をそっと抱き上げると、車の後部座席へと運んだ。山口豪と大丸真美も同乗し、急いで病院へと向かう。一方、山口拓海たちは馬場に残り、子供の親を待ち構えていた。この一家には、相応の代償を払わせなければ気が済まない。

走り去る車を見送った家政婦は、勝ち誇ったように鼻を鳴らした。

「ふん、逃げ出したってわけね。骨折なんてどうせ嘘でしょうよ。もうすぐ奥様がいらっしゃるわ。そうしたら、あんたたちなんて全員追い出してやるんだから」

山口拓海は冷ややかに笑った。

「妹が無事であることを祈るんだな」

家政婦は怯むことなく言い返す。

「脅すつもり? 怖くもなんともないわ。うちの旦那様...

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