第273章 ヒロイン決定

山口夏美もそのニュースを目にして、驚きを隠せなかった。前世でも伊藤健の動向は常に追っていたが、こんな出来事はまったく記憶にない。北村由紀が興奮気味に声を上げた。

「嘘、伊藤健じゃない! 夏美、彼と知り合いだったよね。この前、キャスティングで学校に来た時、言葉を交わしてたし。足さえ怪我してなきゃ、オーディションを受ければ合格する確率高かったのに」

山口夏美は頷き、まだ体重をかけられない左足へ視線を落とした。彼女の落胆を察した北村由紀は、慌てて慰める。

「でも、足はもうすぐ治るでしょ。ニュースが出たばかりだし、もしかしたら間に合うかもしれないよ」

山口夏美は口角を少し上げ、吹っ切れたよう...

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