第28章 記録を破る

「まだ四時間も経ってないのに、宝物を取らずにそのまま来たのか? それじゃ点数にならないぞ」

森の中から四人の女子生徒が姿を現した。先頭を歩く山口夏美は、前方のゴールを指差し、自信に満ちた笑みを浮かべる。

「ゴールはあそこよ!」

彼女の後ろに続く三人はすでに疲れ果て、汗だくだったが、ゴールを目にして再び情熱を燃え上がらせた。

「行くわよ!」

女子生徒たちは声を揃えて叫び、一気に教官の前まで駆け抜けた。

同時に、計時を担当していた教官がストップウォッチを押した。「三時間五十九分六秒! 記録更新だ、本当か? 宝物はちゃんと取ったのか確認させろ」

四人は答える力もなく、次々と...

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