第280章 クランクアップおめでとう

山口夏美は不満げに少し唇を尖らせ、反論した。

「ケチっているわけじゃありません。お金は使うべきところに使うべきだと思っているだけです。お父さんが大盤振る舞いしすぎると、下の者たちは無駄遣いするようになります。逆に予算を厳しく絞れば、自然と節約の工夫が生まれるものです。ビジネスマンのお父さんが、その道理を分からないはずがありません」

山口誠司は豪快に笑い声を上げ、感心した様子で娘を見つめた。

「さすがは我が山口誠司の娘だ。生まれつきの商売人だな。もちろん、会社では適切な予算を組んでいる。だが、お前は私の娘だ。お前への愛情に予算などない」

山口夏美は胸が熱くなり、思わず鼻の奥がツンとした...

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