第303章 人を奪う

折内美奈子は彼を指さして言った。

「伊林升、あなたさっきの女に興味あったんでしょ。顔もよく見ないで手を出すなんて、本当にえり好みしないのね」

伊林升はニヤリと笑って言い返した。

「じゃあ、君を口説いてもいいってこと? あとでマネージャーが決まったら、一杯おごるよ。縄田洋は怒らないよな?」

縄田洋は二人を一瞥し、冷ややかな口調で言い放った。

「俺たちは話題作りのビジネス・カップルにすぎない。本当に付き合ってるわけじゃないんだ。遊びたきゃ勝手にしろ」

折内美奈子は口元を覆ってくすくすと笑った。ちょうどその時、ドアが開き、先ほどのスタッフが顔を覗かせた。

「この子たちが今日契約した新...

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